鹿江光

アザーライフ ~永遠の一瞬~の鹿江光のレビュー・感想・評価

1.5
≪30点≫:発想を生かすための秩序。
発想の出発点は悪くないのだが、いまひとつ方向性が掴めず、全体としてはふわっと終わった印象。SFとしてもサスペンスとしても中途半端。そこに家族愛的なヒューマンドラマも織り込もうとしてくるから、欲張りこの上ない。途中で一瞬「おっ…流れ変わったか!?」みたいな展開があるけど、結果どっちつかずで着地点も消化不良…。
発想の瞬発力も大事だが、それ以上に必要なのは、発想を育て、物語に繋ぎ止めるための秩序である。それさえ間違わずに与えれば、発想は自然と成長する。それらを成立たらしめる秩序がないと、物語はただのイメージの羅列になり、やがてはカオスの塊になってしまう。
高価な食材=美味しい料理とは限らない。全てはシェフの腕次第。本作はなんとも味気ないものだった。
過去の『世にも奇妙な物語』で似たような要素の話あったよなぁ。『懲役30日』とかいうやつ。
鹿江光

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