かーくんとしょー

カメラを止めるな!のかーくんとしょーのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
2.7
地上波初放送を録画で鑑賞。
散々話題になっていたので楽しみにしていた。

結論として、面白いし上手いけど、悪く言えばそこまでか?という感覚。
低予算だったり口コミで人気が広がったところで、作品以上にドラマチックなエピソードが膨らんだんだろうな、と。

ただ、評価されるだけの特筆すべき点はやはりある。
まずはマルチアングル・マルチエンディングのような構造は面白く、しかも劇中劇だが単純な入れ子構造というわけではないのはかなり斬新。脚本家は思い付いた時点でガッツポーズしたのでは。
この点がもっと評価されてほしいと思う。

さらに、低予算が功を奏したせいか、演者が良い意味で大根役者なのがハマっている。
上手く演じてしまうと劇中劇の時に違和感が残せず、ネタばらしの方は単なる舞台裏密着になってしまっただろう。

演者はあまりキャリアのある方々ではないようなので、これで勘違いせず、でも名前が売れたことはプラスに考えて更なる活躍してもらいたいと思う。
きっかけを掴むことすらできず消えていく演者だらけの世界だろうから。

一方、主人公の娘役については、演技が鼻についたのは置いておくとして、必要な役だったか微妙なところ。
ネタばらしの時に彼女が多少活躍するが、ちょっと偶然性やご都合主義に頼りすぎてあり得なさを感じてしまう。
劇中劇を観た鑑賞者が、ネタばらしで裏方の必死な動きを観て、現場の切迫感とその切迫感ゆえに生み出される笑い(ここが重要!)を受け取る中で、娘役だけがリアリティーにかける笑い要素のため違和感が拭えない。
彼女が主役なら特別扱いで特別感を出しても良いが、彼女はあくまで駒の一つであるはずが、他の人物たちと違ったベクトルで流れを止めてしまっていた。

written by K.
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