ロンドン育ちの青年イェミと、祖国ナイジェリアからやってきた兄のイクダイシ。初めて出会う兄と弟は、育った文化の違いに戸惑い、なかなか噛み合わない。ある日、母親からオクラを買いに行くように頼まれ、2人で出かけるが、買い物の道中に何度も衝突する——。
ナイジェリアの映画産業「ノリウッド」の映画制作本数は年間2500本で、世界1位。ボリウッド・ハリウッドよりも本数は多いらしい。経済規模では、ハリウッド・ボリウッドに次ぐ世界3位だそうだ(ニュース記事参照)。
ナイジェリアの公用語は英語なので、アフリカ中で観られており、さらに、イギリスにはノリウッド専門チャンネルがある程だとか。
これまでノーチェックだったが、これは観なければと思い、イギリス合作のノリウッド映画「オクラを買いに行かせたら」を視聴することにした。
白人が黒人に差別意識を持っていたり、黒人の中でも、ジャマイカ人がアフリカ人を下に見たり…本作は人種差別という重いテーマを扱っている。だが、兄のイクダイシがハイテンションで、悲観的な様子はない。そしてお母さんは最強。
軽妙でコミカルで、ハッピーな本作は、見終わったあと、爽やかな気持ちになれる。これこそ、娯楽。
このハッピーなところこそ、ノリウッド映画が広く愛されている理由らしい。世界2位の「幸福度」を誇るナイジェリアの国民性が、映画にも反映されているのかもしれない。
また、ノリウッドでは一本の制作費が100万〜150万円程度だそうだが、本作は全編イギリスロケなので、もう少し制作費が出てるはず。