焼きぷりん

日日是好日の焼きぷりんのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
4.2
『大学時代に一生をかけられるような何かを見つけたい』。モラトリアムの最中、ただ何となく習い始めた茶道に徐々に心を奪われていく。

『まずは袱紗(ふくさ)の扱いから』。序盤にまず感じたのは、茶道のお作法の面白さ。恥ずかしながら、あまり知らない世界だったので、細かい所作がとても新鮮かつ美しいと思った。そして、当然の遠慮の文化。うん、これこそ日本人のスピリットだ。

五感で茶道を。お茶を楽しむだけが全てではないのだな、と。器の風情を目で楽しんだり、お茶を点てる音に耳を傾けたり、あるいは夏の暑さを肌で感じたり。感覚を研ぎ澄まして、いまの一瞬を全身で味わうという、何とも気高く尊い道だろうか。

一期一会。茶道の教えであり、私も大事にしている言葉だ。二度とない出会いかもしれないからこそ、その出会いに感謝して生きていくことが大切だろう。

樹木希林はやはり名優だったなあ、と。まさに自然体という感じ。もう普段から先生やってるでしょ!と言いたくなる。

邦画の良いところがいっぱい詰まってる映画。季節の移ろいとか、人の温もりとかとか。今の激動の時代に、ちょっと疲れを感じて来た人にオススメしたい一品。
焼きぷりん

焼きぷりん