このレビューはネタバレを含みます
下書き
主人公は日日是好日という言葉の意味を最後に理解するというところで終わる。
この映画は彼女の30年近い人生を茶会を、主軸に描いている。
お茶の所作にこの動作は必要なのか、その動きに何の意味があるのかと尋ねる主人公に理屈で考えるなと武田先生は告げる。
現代人はなんでもすぐ効率や意味を求める。これは人生にも言えることだと感じた。この映画はそんな現代社会の窮屈さをほぐしてくれるような時間の流れがあった。
主人公が数年経ったとき、ほとんどが自分より後に始めた人達なのに自分が1番劣っていると感じた時。焦りと自分だけが浮いてしまっている感覚。
どうしても日本人は神を信じている人が少ないので、他人と比べて自分の位置を考えてしまう。そのため、あの電車のシーンは共感する人も多かったと感じる。
頭と心が疲れている時にお茶のように心身をあっためてくれる作品だった。邦画ならではの間の使い方が好みだった。特に華ちゃんと樹木希林さんの演技のお陰もあって役が呼吸をしていた。
多辺ちゃんの昭和後期の華美な雰囲気はとても合っていた。2人の対比も妙にリアルだったがほっこりした。
この映画は、お茶の文化は四季がある日本だからこそ続く文化であり、そのお茶を通して常に頭で考えるのではなく、心でみる、体で慣れるということを楽しんで毎日を過ごすことも大事だと伝えているのだと感じた。