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日日是好日のレクのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
4.0
茶道に由来する千利休の言葉、一期一会。
茶会に臨む際には、その機会は二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということを心得て、互いに誠意を尽くす心構えを意味する。
この四字熟語をひとつのドラマに仕立てた深い味わさを見せ、そして日日是好日という毎日が過ごせる喜びを人生に落とし込んだ傑作。

茶の湯、茶道の映画ということで大半は茶室が舞台だが、季節や気候の情景に合わせて添えられるお茶菓子と掛け軸。
そんな中で唯一不変なのが「日日是好日」であり、移りゆく季節の中でも変わらぬお茶で学ぶ人生の在り方を示す。
日日是好日という一期一会の考え方は趣を持たせつつ現代にも引き継がれる精神なのだ。

樹木希林さん、黒木華さんの演技は言うまでもない。
笑いも交えつつ優しく包み込むような肌触りのいい樹木希林さんの演技。
この映画は樹木希林さんそのものだ。
そして黒木華さんは茶道に出会い、決まった型の中で自分の居場所を、自分なりのお茶の在り方を見つけていく奥ゆかしさを持ち合わせた大和撫子で真面目な主人公を好演。
実にいい映画でした。
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