ディー

日日是好日のディーのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
4.5
暑い、寒い、熱い、冷たい、悲しい、嬉しい。
たとえそれがどんなに平凡で身近にあるものでも、何もかもが美しく尊いモノで、過去と未来と今の全てがあってこそ、人生の煌めきを感じられる。

物語の作りもよく出来ていて、台本が無さそうな樹木希林と黒木華の面白可笑しい掛け合いから始まる序盤、そして何より見事な"転"、"結"が描かれる中盤〜終盤。
更には、スクリーンの終わりからの"続"を感じる事が出来るような幕切れ。
映画を観た人の物語に帰結する感覚…ものすごく好きな終わり方でした。

物語のハイライトはほとんど後半で、
終盤の十二支のくだりでものすごくハッとした。
次の干支が来るまでに、次に大切な人と会うまでに、私は生きているだろうか、大切な人は生きているだろうか。
一期一会、ありきたりな言葉だけれど、大切な言葉だな、と思い知らされる。

茶道だけでなく、時間や知覚の感覚を大事にする日本人の文化を見事に描ききった映画。
この先も、語り継がれるべき映画だと思わされました。

文庫も読んでみたい。
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