ハッピー野郎

日日是好日のハッピー野郎のレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
3.3
こんな風に、1つの軸をおいて誰かの人生をなぞる映画すごく好き。作中では時間の流れが淡々としていて、軸であるお茶以外の出来事はナレーションで済まされてしまうので、感情移入することはあまりない。けど、その淡白さが流れるように過ぎていく月日と少女の成長に一種の温かさをもたせていて、最後にタイトルがすとんと自分の中に入ってくるような物語だった。

静寂が大切な映画にも関わらず劇場ではいびきをかいて寝ておられる方がいたけど、それすらもかき消すような樹木希林さんの圧倒的な風格、気品に感服した。

一点だけ気になったのは、作中で10年以上時間が流れるのに、全く人物に老いを感じないこと…。確かに黒木華さんの少女から大人になる表情の機微は素晴らしかったけど、もう少しメイクや技術的な努力があってもよかったのでは…。
ハッピー野郎

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