ドラァグ・クイーンのロードムービー。主役トリオの役者がなかなか凄い組合せ。ロード・オブ・ザ・リングのエルロンド役で有名なヒューゴ・ウィーヴィング、スーパーマンで有名なテレンス・スタンプ、若手のガイ・ピアース。
ロードムービーとしては凡庸だし、オーストラリアのギラギラした自然の見せ方は『美しき冒険旅行』や『荒野の千鳥足』といった優れた先行作品には及ばないが、派手な衣装が印象的。ガイ・ピアースがバスの屋根でのけ反り、オーストラリアの荒野に鮮やかな衣装をたなびかせる風景は鮮烈。
ヒューゴの元妻(彼はゲイだが過去に女性と結婚し息子に恵まれていた)のキャラがとてもいい。息子に自分のセクシュアリティと仕事をカミングアウトするのをためらう彼を、明るく笑い飛ばし、後押しする優しい陽キャ。同性愛への偏見は全くなく、幼い息子にもお父さんはこういう人なんだよ、ときちんと教えるのが好感が持てるし。
