このレビューはネタバレを含みます
この映画はニューヨークインテリ層に向けた映画なのかな、と序盤の何分かで思いました。
ただ、映画を見終わったら、ウディ•アレン氏の映画を初めて観る方でも、他作品を何本も観てる方でも楽しめそうな映画だな、と思いました。
そして、男性が視聴しても女性が視聴しても恋愛映画として楽しめそうだな、と思いました。そういう映画は少ないので素晴らしいと思いました。
あと特筆するとしたらニューヨークを代表するMOMAや、セントラルパーク、ソーホーの話、ブルックリンの話も少しでてくるので、仮にニューヨークに行ったことがある人が視聴したら、まず間違いなく楽しめるでしょう。
撮影技法的には、わたしの感覚ではヨリのカットが極端に少ないと思いました。
元々ウディ•アレン氏の映画はヨリのカットが少なく景色の中に溶け込んでいる俳優さんの印象を大事にしている、と私は捉えています。
レイニーデイ、つまり雨の日をテーマにしていますが、後半にいけばいくほど雨は降っていない。これは製作する上での現場でのなにかしらの事情があったのかもしれませんが、大して気になりませんでした。
ただ、エル•ファニング演じるアシュレーが半下着姿で雨がふっていて寒そうな階段を降りるシーンがあり、視聴者のだれもが観ていて「かわいそうだな」と思うような場面があるのですが、あのシーンは雨が降っていないと成立しないシーンだったことは間違いないです。
最も印象的なシーンはティモシー•シャラメ演じるギャツビーがお母さんと2人きりで、お母さんの過去になにがあったのか話すシーン。
ギャツビーがピアノを弾きながら歌うシーン。
で、この歌うシーンですがおそらく、20世紀に活躍したトランペッター、チェット•ベイカーを意識したものだと思いました。
チェット•ベイカーは男前、だけど破天荒、ただ歌ってトランペットを演奏させると天才的ということ有名でしたが、
ギャツビーはギャンブラー的なキャラクターだったので余計にチェット•ベイカーの姿と重なりました。
最高な映画と言える1本です。