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SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬のseriFilのレビュー・感想・評価

4.0
カメラは武器みたいなところがあってレンズを向けられるとやっぱりこちらはピリピリしてしまうのだけど鋤田さんにはそれがまったくなかったと細野晴臣さん。「まったく」ってすごいなあ。確かに映画の中であらためて鋤田さんの写真を見せられて思ったのは「ケレン」の無さ。スタジオでシンボリックに撮ったような写真でも自然で透明だ。山本寛斎のスーパーニッカーボッカー風キテレツ衣装のデヴィッドボウイのあれなどはいかにもケレン味たっぷりな絵で、それなりに作り込んだスタジオ写真のはずなのに、どこかドキュメンタリーのような質感。そして古くないという不思議。子供の頃に撮ったという母親の写真はまるで昨日撮ったかのようでハッとさせられる。やっぱり写真て面白い。
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