Kamikami

劇場版 Fate/stay night Heaven's Feel II. lost butterflyのKamikamiのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

HF2章に関しては、内容ギッシリでまとまった感想がなかなか出てこない。ただ一言「とんでもないもの作っちまったな須藤監督‼️」と言わせて頂きたい。

まずとにかくエロい。劇場版アニメという条件を利用したエロゲへの先祖返り。「わたし処女じゃないんですよ」という処女厨を絶望の深淵に叩き落とす爆弾発言を皮切りに、桜が士郎の指から血液をしゃぶり取ったり、自らを慰めたり、褥を重ねたりと深い情愛を描くさまは官能的かつ蠱惑的だった。

そして極め付け、桜による「お食事」のシーン。彼女の主観を描いたメルヘンチックな演出のもと飢えた肉食獣の如く人間を貪食するシーンはサイコホラーそのものだった。容赦がない。本当に容赦がない。

桜まわりの同時並行的に気になったのが間桐慎二の士郎に対する感情。衛宮に相手にされないのは耐えられない!それくらいなら憎まれる方が遥かにマシだ、という理屈で義妹にナイフを突き付けたり、凌辱を図ったりする屈折ぶり。滑稽すぎてまさに「愉悦」だった。よりによって衛宮士郎に対してかまってちゃんムーブを起こしたのが運の尽きとしか言いようがない。

真っ当な学園生活を描いた作品なら、陽当たりのいい道を進めることが約束されていたはず。それなのに構ってはいけない相手に構ったせいでそれをすべて台無しにするとは、悲劇を通り越して喜劇である。

他にも、士郎が桜を殺害して「正義の味方」になることを選ぶルートである鉄心エンドを思わせるシーンなど、分岐を意識しておりなかなか隙がない。

戦闘シーンの迫力も満載で、バーサーカーとセイバーオルタの対決シーン、21世紀の破壊兵器での殲滅戦をやっているようにしか見えなかった。
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