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ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷のCHAZZのレビュー・感想・評価

3.8
これを観てない人がいたら、一言ご注意を。この作品は恐怖を楽しむ作品ではない。

むしろ、古き良きゴシック怪奇映画の世界観。
20世紀初頭の北アメリカの独立運動などの戦争に使用されたウィンチェスター銃を作り出したウィンチェスター社の創設者の妻が銃によって死んだ人々の霊を封じるために増築を続けるウィンチェスターハウスに招かれた精神医学の医師が到着したところからストーリーは始まる。

悲劇的な事情で妻を亡くした医師をなぜウィンチェスター未亡人が招いたのか?
呪いは本当にあるのか?単なる未亡人の妄想障害なのか?

主なストーリーはこんな感じだけど、おそらく映画のイメージとしてはジェームス・ワンの『死霊館』が一番近いと思うが、残念なのは思惑がそこまで成功していない部分が多いこと。

しかし、それを補う情熱も十分感じる。
もう一度言うけど、この作品は恐怖を楽しむ作品ではない。恐怖と言う体裁の隙間から漏れ出す悲哀を見つける作品。

確かにこけおどしのような音響や亡霊シーンはいまいちだけど、未亡人演じるヘレン・ミレンが銃によって死んだ霊たちへの言葉は映画の深みを引き立たせている。

何箇所かで涙が出そうになったし、見方がわかれば深い深い愛の物語だとラストには感じるはず。

ショッキングホラーをイメージされると肩透かしだと思うけど、角度を変えればなかなか趣きがある作品。
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