ケンヤム

ヘドローバのケンヤムのレビュー・感想・評価

ヘドローバ(2017年製作の映画)
5.0
世の中の常識。
規範。
ルール。
組織。
倫理。


「ちんこは不健全なモノです。」
誰もがこのワードを信じ込んでるでしょ!
この映画を観るとそれすら嘘っぱちだということがわかります。
あえて声を大にして言いたい!
「ちんこは健全です!平和のシンボルです!」


常識を疑う時、その助けになるのは映画などの文化だと思う。
映画の中で常識を破って、ルールを破ってくれる人を見ることで、自分を縛り付けているルールや規範を認識する。
どんな鎖がどの方向から自分を縛り付けているのか認識する。
そうすることで、人は自由になれる。


ヘドローバという映画はそれを全部やってしまった。
常識やルールや規範を全部フィクションの中で、破ってしまった。
この映画の最後は
「ジロジロ見てんじゃねぇよ」
というセリフで締められる。
私にはこのセリフが
「見てるだけかよお前ら。お前らもこっちに来いよ。」
という意味に思えた。
観客への最大限の挑発だ。
そして、それは最大限の敬意でもある。


なんか、こんなクソみたいな世の中だけどこんな映画撮ってる奴らがいるなら、もう少し生きてやってもいいかなと思えた。
こういう映画で救われる人って、今の鬱屈した雰囲気の世界には沢山いると思う。
もちろん自分もその一人だ。


芸術なんてクソ食らえ!
ルールなんてクソ食らえ!
倫理なんてクソ食らえ!
ちゃんとこの言葉を実践してくれている監督が日本にはいる。
心底仲間に入りたい。
そう思ってしまった。
ケンヤム

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