ニッポンのジレンマ

ブレッドウィナー/生きのびるためにのニッポンのジレンマのレビュー・感想・評価

4.4
世間で流通している人間像や人間らしさがキリスト教内限定のものなのではないかと強く思わせます。そもそも状況設定的に最初から物語(幸い結末は最悪のケースではない)は詰んでいる訳ですが、そこからキャラクターたちが空想を膨らませてなんとか場をしのぐところは興味深い。ノンフィクション性が高い作品にもかかわらず空想的なフィクションを信じようとする屈折が見られます。