ブレッドウィナー/生きのびるためにの作品情報・感想・評価・動画配信

「ブレッドウィナー/生きのびるために」に投稿された感想・評価

bb

bbの感想・評価

4.0
日本から見たアフガニスタンは真っ赤な警戒レベル4で退避の文字。
人生で行くこともないでしょう。
でも知ってましたか?
日本と4時間半しか時差がないこと。
中国に隣接するほど近いこと。
遠い国の知らない話ではない。
生きることが自然ではなく、生き延びるための生活。

アニメならではの色彩豊かな映像。
現実が砂塵の世界なだけに、より一層物語のカラフルさが際立つ。
ディズニーランドのカリブの海賊に乗ってるみたい。

彼らはこれからもこの日々の積み重ねから抜け出すことはないのかと思うと、
安易な言葉なんて出てこない。
パヴァーナが教師の父親が教えてくれたアフガニスタンの物語を弟にせがまれて話す。

物語にエメラルドがでてきた。
調べたら、アフガニスタンはエメラルドが取れるそうだ。

青い石を売る夢を語る男装の少女たち
ラピスラズリの事を言っているんだろうなと思いながら観た。

タリバンの横暴とアフガニスタンの伝説が同時進行。

男以外は生きづらい世界。
てれ

てれの感想・評価

4.6
原作の物語「生きのびるために」を読んでから観た。映像化のしかたが素晴らしかった。

女が知識をもつことが禁じられた過酷な環境のなかで、まだあどけないパヴァーナを通し文字や言葉の大切さが伝わってくる。本が好きで、言葉を読み書きするパヴァーナは強い。それはタリバンの兵士よりも。そんな彼女の姿は、教育が世界を変えると主張したマララを思い出させた。

また抑圧したりされたりする世界で、ラザクみたいな人も多いのではないかと感じて悲しい。抑圧された環境で傷つく→自ら虚勢を張り弱者を虐げなければ生きていけないというのが負の連鎖だ…

劇中での物語が語られる場面では鮮やかな絵が印象的だった。アフガニスタンは、ほんとうは風土豊かで美しい国だと思わせる。

「怒りではなく言葉を伝えて 花は雷ではなく雨で育つから」
パヴァーナの心からのこの願いに、目を背けることはできない。
アニメじゃなきゃ辛すぎて観れない…。タリバン政権下の狂った世界の家族の話。
戦争中には弱者の権利は簡単に奪われてしまう事が苦しいくらい描かれる。子供に見せたらトラウマだろうけどしっかり見せた方がいいアニメ。

劇中に主人公が女の子の姿だと誰も相手してくれないのに、
男の子の変装したら笑顔で相手してもらえるシーンがあって、
あれは戦争中じゃなくても、よくある出来事。女がやると生意気で男がやると勇敢。日本でもまだまだある気がする…。
ミツル

ミツルの感想・評価

3.4
タリバンの政策が強固すぎて、女の人は男の人が一緒じゃないとどこにも行けないことが繰り返し描写されていて、とても辛かった。
心がゆっくり殺されていく感じ。
文化や宗教のことだから簡単に否定してはいけないとは思うんだけど、それでも「女は家にいろ」は間違っていると言いたい。
私たち女は男の持ち物ではない…。
父親が理不尽に逮捕されたせいで、やむなく母と娘で外を歩いただけで母がボコボコに殴られるのは、どうしたって正当化できない。

一方で、戦いに行かなければならないから読み書きなどなんの役にもたたなかった!と喚いていた若者も、時代なのか環境なのかわからないけど、なにかしらの犠牲者ではあるのだと思う。
それは他者を踏みつけて良い理由には全くならないのだけれど。

エンディングを迎えた後もこの家族が揃って生き延びるのはとても難しいことに変わりはなく、いまも現地の状況はさほど変わっていないのだろうと思うと、なにかできることはないかと考えさせられる物語だった。
木子

木子の感想・評価

4.8
“Raise your words, not your voice. It is rain that makes the flowers grow, not thunder.”
HW

HWの感想・評価

3.7
◉「花は雷ではなく 雨で育つ」
 「愛は怒りではなく 言葉で育つ」

◉ 2001年アメリカ同時多発テロ事件後のアフガニスタンの荒廃した町 カブール。タリバンの支配下で女性だけでの外出は禁止されていた。11歳のパヴァーナは家族とささやかに暮らしていたが、ある日突然、父親が無実の罪で投獄される事に。

◉ベストセラー児童文学「生きのびるために」をアニメーション映画化。児童に限らず大人も観る価値がある作品。本作のような歴史や現代社会の問題を反映した映画を、是非とも学校教育の一環として取り入れるべきだと思う。

◉ 平和とは、自由とは、平等とは…その答えがこの作品の至る所に詰まっている。

◉平和を享受した日本国で命を狙われる恐怖を感じる事なく生活している日本人がいるのと同時に、時同じくして、アフガニスタンやその他紛争地域では少年兵がTVゲームをする事も無く、その代わりに銃を持って人を撃ち殺したり、11歳の少女が学校へも行けず自分の髪を切って男の子になりすまし家族を養っているという事実。凄まじい程に環境が違い過ぎて中々想像出来ないかもしれないけど、何も出来ないからと目を背けるのではなく、世界のどこかでこのような凄惨な状況が今も尚続いている事を知る事に意味があると思う。監督もそれを望みこの作品を作ったと思うし、そういう意味では大いに意義がある作品。
「怒りではなく言葉を伝えて
花は雷ではなく雨で育つ」

このようなことがつい最近の出来事で且つ今もなお起こっているかもしれないという事実に震えあがる。
茶色ベースの色彩のなか、一際鮮やかに映る海の青。闇を照らす月の光。
自分を助けてくれるのは教養と親愛。
カートゥーンサルーンのシスターフッドは本当に極上ですね。20年後に再開できてるといいな……

🔽BBCがタリバン取材した記事(日本語訳)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-56765861.amp
タリバン政権下での様々な制約の中でたくましく生きる家族の話。

家族揃って過ごす。
お腹いっぱい食べられる。
昼も夜も街を堂々と歩ける。
それがどんなに幸せなことが。

ラストの解釈、個人的には救いがあったと信じたい。

現実世界でこれよりひどいことが起きていることを忘れないようにしなくては。
タリバン政権下のアフガニスタンを舞台に、女性は仕事や教育はおろか、外出や買物すらも禁止される超差別的政策が施行される中で父が囚われの身となり、成長しきった母と姉、そして幼い弟のために髪を切り男と偽って一家の"breadwinner (稼ぎ手)"になることを選択した11歳の少女パヴァーナを描いたアニメーション作品です。

あまりに理不尽であまりに抑圧的な差別政策のあり様を観る者に突きつける作品で、これが遥か遠い過去の想像上の物語ではなく、まだ20年も経っていない過去の現実であり、規模は縮小されたとはいえ現在に至るまで尚残り続ける問題であることに言葉を失います。

やや表情に乏しくファンタジー要素も強い童話風の物語ですが、現実はより過酷で悲惨な事は想像に容易く、実写ではそれこそ目を背けたくなるものになってしまうため、アニメーションが限界という方が正しいのでしょう。それ故に本作が作られ映画館や配信メディアを通して世界中に発信されることに価値があると思うのです。
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