生きのびるためにの作品情報・感想・評価

「生きのびるために」に投稿された感想・評価

おもしろかった。主演声優さんはカナダのかたっぽいけど訛りは作ったものなのかな。
捕まってしまった父を街はずれの刑務所まで助けに行く。

大した冒険じゃないようにも思われますが、何せ紛争が多発してる中東。徹底した男尊女卑に加え、平気で役人が女子供を殴ったり蹴ったりする無法地帯。

画面に映し出されるのは、平和な日本では考えられないような過酷で非人道的な世界。

主人公の幼い少女の勇気に感涙。善意ある人が一人でも多くこの世界に残りますように。
傑作。優しく、辛く、暖かい物語。カートゥーン・サルーンの前作である『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』で語られる「あなたの話や歌の中に私はいる」という強いメッセージの、まさに延長線上であり、それを現実の社会を舞台とした物語で作り上げるとは。恐れ入りました。

本作の女性は徹底的に酷い目に遭う。まさに『生きのびるために』髪を切って男性と偽ることを決めた少女の決意を、誰も褒めも讃えもしないのが非常に心が痛い。しかしこの映画のすごいところは、「女性の支配され息を潜めて生きなければいけない呪い」を描く一方で、「男性の目の前の現実から逃げられない呪い」を描いているところだ。そもそも父親は逃げる足がないし、最低なあいつは戦場に行くのが怖くて仕方がない。そう、誰も男性は支配されていないなんて言っていないのだ。
「ブレンダとケルズの秘密」の監督作。
製作には、アンジェリーナ・ジョリーが参加した作品。

軍隊に連行された父親を救い出すために、少女が男装をするという物語。必ずしも、子供向けではないかもしれない。だが、つくづく、女性に対する考え方を今一度考える必要がある作品では、あった。

物語の中で、主人公の少女の幼い弟に、勇敢な少年の物語を聞かせる場面がある。そこは、少女=男のように…といった、少女自身の願いなのではないかと思えた。女という理由だけで、自分の家族を救えないという、厳しい現実を突きつける表現でもあり、重かった。

この作品の良さについても触れると、やはりアニメーションの特に「動き」「背景」だろう。ジブリ並に非常に凝ってる作品だった。ディズニーやドリーム・ワークスのアニメーションが目立っている中で、このアイルランド製のアニメーションもいかがですか?
しゅん

しゅんの感想・評価

4.0
【2001年、女性の外出さえ自由ではないアフガニスタン。父親を連行された少女パヴァーナは男装し街に出るアニメーションドラマ映画】
2018新作48

[虐げられた女性の覚悟]
原作者が取材した実話もベースになってるそう。
かわいいキャラクターと綺麗な風景に残酷なストーリー。
女性は物も売ってもらえないってどれだけ生きにくいか。そういった残酷さはあるが殺害や拷問等の過激なシーンはない。

悲しいことだが男装したことで生まれる絆や、同性の友人との交流などいいシーンが多い。
パヴァーナの話す劇中劇が切り絵の様でかわいい。

配信後劇場公開も予定されてるとか。
Runa

Runaの感想・評価

3.9
クオリティ高いNHK教育ドラマみたい。
現実が辛すぎて、
途中現実逃避で入るお伽話がファンシーで癒される。
Alskei

Alskeiの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

女性が外を歩いているだけで理不尽な扱いを受けている世界は見ていて苦しかったです。自分の生活と比較したとき、自分は誰かを差別してはいないだろうか、誰かに対して理不尽な扱いをしていないだろうか、と不安になりました。

この世界で主人公が差別から耐えるために役に立ったのは物語、もっと言えば教養だったのかなと思いました。学校で一緒だった友達、読み書きを教えたおじさん、そして物語は家族に安らぎを与え主人公に勇気を与えていました。光る物、捕まえる物を手に入れたお話の主人公は最後に象の王と対峙すると、短いフレーズでしたが物語の力によって象の怒りをなだめたように思います。つまり物語が最後の一つ、宥める物だったのかなと解釈しました。
しかし、少し理解ができていないのですが、最後に兄の真相をなぜ知ることができたのかがいまいちよく分かっていません。もし物語が宥める物だったとしたら、それは元々自分の中にあったものということになります。つまり兄の真相を元々知っていたということになってしまいます。それともお話の主人公の名前を兄の名前にしたことがトリガーだったということでしょうか。んーこんがらがってきました。

それと分からないことがもう一つあって、宥める物が教養だとすると、光る物は乳搾りをしている老婆を助けたときに貰ったので優しさかなと思ったのですが、捕まえる物がいまいち何の象徴なのか分かっていません。助けを求めて馬が吠えたことがきっかけだったので、「友達」とかでしょうか。
こう考えていくと「主人公は光る物、捕まえる物、宥める物のすべてを持っていて、それによって象の王から種を取り戻すことができた」という話は「主人公は優しさ、友達、教養のすべてを持っていて理不尽な世界から平和な暮らしを取り戻すことができた」と見ることができて、これはこの映画の結末と一致しているようにも思えます。なんかちょっとすっきりしました。書きながら考えてみて分かることもありますね。このあたりがこの映画のテーマなのかもしれません。自分の生活にも当てはめて考えてみたいテーマです。

ただ、なぜ兄の真相が分かったかについては未だによく分からないです。あとお父さんを助けてくれたあのおじさん、よく銃弾1発で許してもらえましたね。殺されてもうダメかと思いました。
タリバン政権のことも、イスラム原理主義のことも自分は知らなすぎるなと思った。

ネットで少し調べた。

タリバンはパキスタンとアフガニスタンの国境付近にあるイスラム神学校の学生を中心に結成されたらしい。アラビア語で「神学生」の意。

自分たちの日本では22年4月から成人年齢が18歳に引き下げられるニュースを聞いた。憲法改正の可否を決める国民投票が行われる場合、将来を担う若者に多く投票してもらおうという狙いもあるみたいだ。

なんとなく日本でも神学生みたいな人達が出てくるのもありえるなと最近の世情とか見てて思う。
pen

penの感想・評価

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主人公が何かを落とす度に胸が苦しくなる。父親を失ったことで落とす彼女のもの。何で落とさなければならないのかと感じてしまう。
理不尽な暴力の対比として語ることが際立ち、語ることを選ぶ人々の手の演技がとても優しいのが印象的。

画面の外側から聴こえてくる音が怖く、訪れる場所や街を歩く1人1人の姿がその国の現実を映す。

友情モノとしても印象的なのだけども、二人の会話が明るい分切ない。
衝動的な暴力の怖さもあって、3人の若者達を描いた映画でもあったような気がしました。
ありがとうNetflix!
過去じゃなく現在進行形、創作じゃなくて現実なのだ、などと考えて落ち込むのは観終わってからでいい。
とても良い。劇中劇(お話)で泣いた。
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