Iri17

恋は雨上がりのようにのIri17のレビュー・感想・評価

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)
4.4
観たい映画沢山あるのに、時間と映画館と一緒に行った人の関係で『恋は雨上がりのように』を観に行ってきた。
出たよ、JKとおっさんが恋愛するやつって思ってずっとナメてたんですけど、これがかなりの傑作でしたので、何事も観ないで叩いちゃいけないなとめちゃくちゃ反省してます。

この映画は高校生向けの恋愛映画ではほとんどなくて、もっと深みのある文学的な映画で、若さ、夢、人生の意義とかに真摯に向き合ってる作品でした。
小松菜奈と疑似恋愛できると思って観にきたおじさん達が観終わった後に、思いがけず自分のこれからの人生に前向きに向き合う事ができる大泉洋神主と小松菜奈巫女による神社のような作品。

人生における予想外の事故や事件、限界を見て諦めたくなってしまう気持ちを、土砂降りの雨という象徴性や羅生門の引用で表現し、最後には大泉洋というある意味最強過ぎる神主と小松菜奈というこちらもある意味クレイジーな巫女が、まさに僕たちを雨上がりさせてくれる。

あまり結末には触れませんが、結末が結末ではないというのが、素晴らしい。それこそ人生じゃないかと。何言ってるか分からないかもしれませんが。僕の大好きな『ミスター・ノーバディ』でも「未来が分かったらつまらないでしょ?」ってセリフがありますが、まさに土砂降りの雨の中走ってもゴールが見えないから人生は価値がある。だから前が見えなくても諦めないことをこの映画は伝えようとしていて、辛い出来事や報われない努力は人を人でなくしてしまうけど、それでも諦めずにがむしゃらに進め!そしてJKが誘ってきても手を出すな!という真摯なメッセージが伝わってきます。
軽薄な高校生が、観に行っても分からないと思いますが、傑作です。
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