映画として完成されてるじゃん。リアリティあって最高。
(2018/12/13) 3.6
ラブストーリーなのに「恋愛はサイコーだよ！」っていうイデオロギーを流布させるのではなく、恋愛を物語のスパイスとしていい塩梅に描いていたのが良かった。ステロタイプかもしれないが、恋愛映画って恋の成就や失恋、性描写を描くきらいがあると思う。しかし、本作で描かれているのは成就しない片思いである。でも、どこか理想的な関係に思える。というのは、男女ともに恋愛という合わせ鏡を通して、逃避している現実に直面し、現状を打破しようともがき始めるからである。個人的には、相手の趣味に迎合したり、相手のために！なんて張り切っちゃう恋愛は恋愛ごっこだと思っている。本作は、そんな少女漫画的ではなく、大人な(性的要素があるという意味ではない)恋愛への向き合い方をしていて良かった。1番安心したのは安易に成就して、性行為してしまうこと。馬鹿な中年オヤジにワンチャンあると思わせるような映画でなくて心底安心である。
