caramel

リヴァプール、最後の恋のcaramelのネタバレレビュー・内容・結末

リヴァプール、最後の恋(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

こんなアネット・ベニングははじめて見た。50年代の映画スターの役なので、いかにも男性に甘えてきた女性、という猫撫で声にまず驚く。
そしてジェイミー・ベルが!「リトル・ダンサー」のあの子が!とても素敵になっていてびっくり。
オバさんの妄想ロマンス?とはじめは戸惑ったけど、脚本がベタベタでなく丁寧に描かれていることと、主役ふたりともが上手いので白けることなく最後まで観れた。

自由で肩書きや年齢にとらわれないグロリアもピーターも素敵だけど、
騒がず、適度な距離でグロリアと接するピーターの家族が本当に素晴らしくて。
この家族の中で育ったからピーターがあるのだな、と感じさせる説得力もあって良い。

往年のスター女優とかなり年下の男性とのロマンスに終わらず、病を抱えた人に接すること、望む身終いがあっても、それを叶えるためには周囲の協力が必要..と、
生命のこと、ロマンスに留まらない愛を描いていてそこが良い。
それが「恋愛」かどうか、ではなく、
ピーターはグロリアをひとりの人間として愛していたのだと感じた。

人間の最期を描く映画は少なくないけど、
さすがはアネット・ベニング、きれいごとにはしない、覚悟を持った演技とメイク。

私的にこの作品の目的でもあったヴァネッサ・レッドグレーヴとアネット・ベニングが対峙するシーンは映画好きとしては眼福。

あ、ハリウッドスターと俳優さんのお話なのでところどころにいろいろな作品を絡めた台詞が出てくるのも、映画や演劇が好きなひとには面白く観られるポイントかも。
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