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THE UPSIDE 最強のふたり/人生の動かし方のNMのレビュー・感想・評価

3.5
試写会にて先に鑑賞。

リメイクというか、実話だから忠実というのか…。
でもよかった。下ネタと友情と家族とか沢山の悩みと過去を抱えて正反対の最高と最低がタッグを組む。
オチはまだ続いているのだから無いものだけど、ノンフィクションならではのモヤモヤ感があった。
でも、これから先2人がどんな友情を築いていくのかはゆうに予想が付くから楽しかった。


料理やってる人間の目線で何か言った方がいいのかなと思うので、料理に着目した感想をしようと思います。
今回、フィリップだけではなく障害を途中から持った人間の1番嫌な事は多分「特別扱い」される事。
デルの事を気に入ったのも自分をただのそこら辺の人間のひとりとして扱ってくれたからだと思う。
デルの初めてキンカン入りのフレークをあげるシーンも周りからしたら冷や冷やするんだろうけど、彼のまだ何も知らないあの雰囲気がフィリップの心を唯一救う【最低な気持ち】なんだと思うととても良かった。

自分は
ホットドッグのシーンが一番好きだったなあ。
ホットドッグを14本頼み、さらに1本頼んだあのシーン。
デルが「目の前に居んだから本人に聞けよ」と言った時どれだけ救われたかと思うと1500本のホットドッグとか普通に頼みたくなってしまうよなあ……。ジャンキーな夜のファストフードって本当に美味い。


文通のしていた彼女に会ったシーン。
最初は本当に楽しそうに話しているのに段々食事のペースが落ち、汚れの事を言えず
レアに焼いた肉を彼女が必死に【食べやすいように】切り刻む。
フィリップはそういう事を気にせず彼女と話がしたかったんだと思う。
そりゃあ彼女がやった事は社会の正解だし間違ってない。フィリップだってそれを誰よりも理解してるはずだし、認めている。
けれど彼女が申し訳なさそうにしたあの瞬間、彼はどれだけ自分の身体を憎んだのだろうかと。

デートと言えば散歩とか、ベンチで読書とか色々な手段があるが敢えて手間のかかる【食事】というもので表現したのかな?と思うと皮肉というかなんというか……。(これはノンフィクションだけど、表現の一環として凄い分かりやすくて良かったという話です)
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