暗闇の中を、パトカーに追われながら疾走する車。運転手には黒人の若者、助手席には白人の老人。
フランス版と同じ始まり方で、一気にテンション爆上げ。とはいえ実はフランス版の内容をほぼ忘れてしまっていたので（！）、基本的にはゼロベースで楽しめた。
どのシーンも良かったけど、一番強烈だったのはデルがフィリップの怒りを"代弁"して骨董品だの何だのを叩き割るシーン。人は、喜怒哀楽を言葉や声で表すことができるけど、時々、あまりにも大きなそれは、全身をフルに使って体現せざるを得ないことがある。自分の中に閉じ込めておくには大きく重すぎ、言葉に変えるにはあまりにも濃密すぎることがある。
窒息寸前だったあらゆる感情が、爆発的に消化されていくのを見て、こちらもなぜか胸がすく思いだった。
あとデルが『夜の女王のアリア』を聞いて猛烈に感動するところ。あれはまさに"intouchables"がtouchした瞬間だった。
全体的に、（あんまり覚えてないけど）オリジナルよりはマイルドな印象かな？そういう意味では少し物足りなさを感じる人もいるのかもしれないけれど、個人的にはこちらの方が好きかも！フランス映画がどうにも肌に合わないだけかもしれないけど（笑）
