虎舞羅ーコブラー

パージ:エクスペリメントの虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

パージ:エクスペリメント(2018年製作の映画)
3.5
「パージ」の原点を描く、シリーズ四作目。

みんな大好きブラムハウス製作のシリーズ四作目にして、パージが如何にして作られたのかを描く前日譚的作品。
“パージ法”実行前に、ニューヨークのスタテン島で行われた実験とそれに巻き込まれる人々を映し出していきます。
今作で特徴的だったのが、登場人物の殆どがアフリカ系アメリカ人である事。パージの実験に参加する際、多額の報酬金を貰えるのですが、危険な状況下に置かれる事になっても参加する貧困層の人々に焦点が当てられていきます。
そしてパージと貧困層、そして人口増加の関係性、そして国家の陰謀。前三作よりもその要素が攻めた形で表現されていましたね。そして後半で出てくるあるグループがKKKの格好をしているなど、未だに根強く残るアメリカの人種差別問題を鮮烈に表現していて印象的でした。こうして社会問題も臆することなく描いているのも、ブラムハウスの特徴でしょうか。
ただ作品自体では、シリーズ全体的に見るとどうしても見劣りする印象を受けました。もう少し真新しさが欲しかったですね。

「パージ」という作品の中で、未だに残る人種差別問題や貧富の差というテーマを描けていたと思います。見ていない方は是非!