一緒に観ようよと同居人を誘ったけど、「ぜったい泣いちゃうから嫌だ」と断られた。いや、タイタニックじゃあるまいし。
パディントンと同じようなテンションで観に行ったのだけど(そう、どちらもロンドンを冒険するクマの物語)、カラフルで小ネタ満載のパディントンとは対照的に、シックで大人(または子どもを卒業した人)を意識した作品だった。
テーマだって、「従来型エリート教育の見直し」と「働き方改革」ですし。ごりごりに大人。
「働きすぎで壊れるわ」と妻に心配されるクリストファー・ロビンが21時に帰宅していたことはまぁ置いといて、働き方の見直しは日本だけじゃなくてよその先進国でも課題なんだろうかなんて思った。
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ぬいぐるみたちの造形はすごく素朴で、それもパディントンと比較すると面白かった。
最新のCGを使って、キャラクターをどう動かすか。なるべく自然のクマらしく、かつ表情豊かに動かすのがパディントン。対するプーは、あくまでぬいぐるみ。大きな表情の変化はなく、目もボタン。だけど、その無表情っぷりがかえって想像を掻き立てる。子どもの頃は、表情ひとつ動かさないぬいぐるみの後ろに喜怒哀楽を見ていたなぁなんて思い出しつつ。
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あと本筋とは関係ないけど。
パディントン2で、面食いの警備員として出てた俳優さんが、プーではタクシードライバーの役だった。イギリス映画のお決まり脇役なのかしら。
そしてシャーロック好きにはたまらないマーク・ゲイティス〜!!いっつもこういう役回りなのね。地位があって、冷淡そうな役。でも好き。
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恥ずかしながら「くまのプーさん」の原作をちゃんと読んだことはない。だけど、すごく好きな一節がある。
タイトルにも一部引用した言葉。
“How lucky I am to have something that makes saying good bye so hard.”
「別れるのがこんなに辛い相手がいるなんて、僕はとっても幸せものだね」
離れたくない相手と離れなきゃいけないとき、決まってこの言葉を思い出す。別れは辛いけど、出会えた幸せがあるからこそ感じるものだ。