ほくげん

プーと大人になった僕のほくげんのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.4
プーさんといえばホームランダービー。
ホームランダービーといえば我らがロビカス、クリストファーロビン。
某ゲームで魔球を操り数多のJ民を葬った彼が主演の映画ということで必見だろう。

近年のD社の、過去作品に頼った実写化の流行りには不安を抱いているのだが、結局平均点をたたき出してくる技術には脱帽。シンデレラ、美女と野獣と異なり、長編アニメに沿ったストーリーではなく、主人公ロビンを既婚者のおじ様に成長させて描いたところに今作のオリジナリティを感じる。

作中で重く訴えられる家族の温かみ、日々の生活でゆとりを持つことの大切さ。忙しない現代だからこそ響いてくるものがある。「風船より大事なものがある?」いざプーさんに言われるから納得してしまう。もしこの台詞をミッキーに言われたらどうであろう。カリスマに仕事しなくて良いと言われても一抹の説得力も生まれない。おバカなプニキだからこそできる説法である。

オチはロビンが旅行鞄部門のリーダーという設定とうまく絡められていて、素直に感心。ディズニーのストーリーテラーの巧みさにつくづく感心してしまう。

また主演がユアンであり、オビ=ワン信者としては嬉しかった。ロビンに合っているかは疑問だが。そもそも原作と年齢が異なるため、違和感なく誰でも演じられそうではある。個人的にステイサムロビンも気になる。

自分の記憶に残っているプーさんはテレビシリーズの新くまのプーさん。100エーカーの森の動物達はイーヨー以外狂っていた。しかし、今作ではリアルな風貌のせいか彼らの頭のおかしさはマイルドになっている。ケーキにがっつくシーンは笑ってしまったが、ティガーのポテンシャルはあんなものではない。そうした描写が抑えられている点でも、子供だけでなく大人の鑑賞にも値するようなっているのかなと。
休日に家族で見るにはピッタリだろう。鑑賞後にお父様が「働きたくないでござる」と言い出す可能性があるのを除けば。
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