一気に見れた。
途中、訳の分からない超常現象ものの映画?と思ったけど、どうやら違うよう。
それらは、無意識、潜在意識のなせるものか。
面白かった。
館の住人の、おごった考え方(一般のズレ)も滑稽に描写され
ベルイマン監督の『叫びとささやき』を思い起こさせた(ベルイマンには及ばずとしても)。
医師の妬み。屋敷に入りたい、屋敷の上流階級の一員になりたい潜在意識。
最後まで消えない、相互の階級意識。
10年で埃でも真珠に変えれると言う母に、そこまではいれないから無理でしょうという娘。母娘とも、落ちぶれても「貴族」という実態のないものに特別な意識を持っていた。
一方、医師は実体を伴った資格。
来客に、医師を「お客様」と紹介しながら、立たせっぱなし(自分らは全員ソファー)、更には長男を呼んでこいとパシリに使う。上からの貴族。
彼らの犬が女の子の顔を噛んだのに「なんで連れてきたのかしら
教育係もいただろうに」と罪悪感すら持たない母、娘も「劣等感ほにゃらら」と母に同調。
館と共に彼らの意識も世間からずれたものに。
雰囲気、空気感も良かった。
メイドさんも最初から利用されていたのでしょう。彼女は単に帰りたい思いから協力した感じだ。そこにつけ込んだ医師。
ホラー、推理ものに見せて、階級社会の皮肉を込めた面白い映画だった。