シソウメ

ルイスと不思議の時計のシソウメのレビュー・感想・評価

ルイスと不思議の時計(2018年製作の映画)
3.5
子供向けだというレビューが目立つが、そこには4割賛成で6割反対。

「家族」に対するそれぞれのキャラクターの想いが表現されていると感じた、
大人が見ても楽しめる内容だったと思う。

それは何よりもジャック・ブラックとケイト・ブランシェットの2人の芝居。
特にケイトは素晴らしく、
目線ひとつ、表情の変化の付け方ひとつとってもフローレンスを見事に演じ切っていた。
コミカルなキャラクターの芯をブラさず、コメディシーンもシリアスシーンもやってのける圧巻の演技力である。

つい彼女に泣かされてしまった。

そして20年間顔が変わらない。すごい。

ルイス役の彼は非常に面白い演技をするのだけど、顔芸が本当に凄かった。
少し大人びた表情をするかと思えば、泣き出すと急に幼くなる。
リアクションの顔もかなりオーバー。笑
イーライ・ロスはそこを気に入ったのかな?とも思ったりする。

後半の展開はどうにも納得いくものではないし、なんで?どうして?が解決しない、という部分が明確にあるのが残念。
もう少しラストに向けての構築を丁寧にして欲しかった。
ルイスの心の成長と、魔術の実力や両親の想いがどこにあるのかなど語られないところが多くモヤモヤ。

しかし、家族愛についてはファンタジー作品の中にも関わらずリアリティのある描写がなされている。
これはもちろん名優の功績である。

ただ子供向けだと斜に構えるのではなく、メインキャストの演技に身を委ねてみてほしい。
暖かい気持ちになることでしょう。

イーライ・ロスだから驚かせようとする描写、子供心に怖いシーン満載。
同じくらいくだらない(可愛く下品)描写もあるのでご安心を。
(なんとなくギャグは滑ってるけど、子供が見たら楽しいのかな?)

あと、屋敷にいるやつらが何をもって主人と認めるのかが謎すぎる。。
その辺も説明してくれー!
シソウメ

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