ぺん

ある少年の告白のぺんのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.8
自由を謳いながらキリスト教の教義も深く根付いたアメリカにおいて、LGBTQの問題は二分されているイメージ。
少年時代に矯正施設で酷い扱いを受けたジャレドの手記を基にしている今作。
雰囲気的にも、大きな山場や感動があるわけでもなく淡々と進むので楽しい作品ではないけれど。

TRUMP支持基盤の一つにもなっていた福音派。極端な例だとしても暴力さえ振るう教官はクソすぎる。
あまりにも厳しく、人権は二の次な教義で自分なら耐えられないけど…
それと全く関係ない場所に産まれたからそう思うんだろうな。
先日観た「魂のゆくえ」に通じるポイントもある。
聖書もまた時代や解釈によって色々変わるんだろうが。
それに従うあまり命や魂を殺すような教えをキリスト本人は望むような人だったのか?なんて宗教問題を目の当たりにするたび、無宗教ながら考えてしまう。
宗教に限らず科学や医学を否定し、カルトに傾倒する人はコロナ禍の今も増えていて身近な怖さも感じる。

ニコール・キッドマン演じる母親の変化やアクションは泣きどころかな。
反面、ラッセル・クロウ演じる父親の親子愛と信仰の狭間にいるもどかしさ。
矯正施設がなくなり、救われる人が少しでもいたら良いのですが。そう簡単にはいかない現実も見える。
ぺん

ぺん