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ある少年の告白のjyoのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
4.1
近年多いLGBTQを扱った作品の中で恋愛要素を抑え、同性愛者で悩む主人公を心を描いたヒューマンドラマとなっている。しかも、実話というのが衝撃的だ

同性愛者は病気とされ、かつ神の教えに背くという事から施設に入られ「矯正」という形で無理矢理異性愛者へと変えようとする。

しかし、これは人間の生まれ持ったものであり治すなんて概念がそもそも存在しない。だから、ここいるものたちは皆苦しむ。

この映画が変というか施設のルール自体がおかしいのは、勿論ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルも施設に入るが異性ではなく、同性と行動をさせている。そして、全く意味のない『フルメタル・ジャケット』のようなこともさせられる。

同性愛者の矯正が可能というのを医学的にも全く不可能という事を映画から見て取れる。

現在では、悩みを取り除き自分は自分でいいという考えに流れが変わってきているため、世界的にも理解は大きくなっており、セクシュアルマイノリティでも受け入れる企業は増えている。セクシュアルマイノリティをまるで障がい者雇用と同じような扱いをしているのに個人的にはまだまだ差別はあると思うが。

監督のジョエル・エドガートンが彼らを否定する悪役として登場しているのも映画的な工夫がなされていて、映画としての見応えも大きい社会派作品だ!
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