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ある少年の告白のヒメのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
4.0
この映画のテーマともなるLGBTついて、来春小学生の教科書にも載るというニュースを見て、日本もなかなかやるわね…
と思ったのは数ヶ月前のこと。
体の性と、心の性が違う。
異性に関心が持てない。
そういう不安や悩みを持っている友達を認め、寄り添う事の大切さが記されるようです。
アメリカでは、こういう事がもっと浸透しているのかと思っていたけど、人権を無視したプログラムで異性愛者に変えようという矯正治療を行う施設が、今も実在しているという事に驚く。
しかも「神の名の元に」

牧師を務める父親の家庭に育った主人公の大学生ジャレッドもその犠牲者。
次第に疑問を抱くようになり、悩み続ける。口外してはいけないので、誰にも相談できないのです。
でもジャレッドは凄いよ。
この絶望感の中で、声を上げたのだから。
この勇気は、この後何人の若者を救ったのでしょうか。
父親との関係には、考えさせられた。
最高の人生を送って欲しいという心とは裏腹にある、「孫の顔を見たい」という気持ち。認めてあげなければ、息子を傷付けてしまう。それは父もわかっている。
これは辛いですね。
でもね、あの時ハグしてあげて欲しかった。代わりに私がハグしてあげたい。そのくらいラストのジャレッドが健気で可愛くて切なくてかわいそうでたまりませんでした。

監督.脚本.出演まで、レッドスパローやキンキーブーツ などで知られるジョエル.エドカートンさん。とても味のある役者さんで好きです。
主人公ジャレッドを演じたルーカス.ヘッジスは演技も良かったので今後も注目。。
ヘッジスのお父様は私の好きな「ギルバート.グレイプ」の原作者さんでした。
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