whitelily

ある少年の告白のwhitelilyのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.8
宗教とは一体なんだろう、と思う。

矯正施設、救済施設。この手のコミュニティ施設には様々な呼び方があるけれど、いずれにしてもそれは神の名前を借りた“洗脳施設”にしかみえなかった…。

私は特に神の存在は否定しない。よって宗教そのものを毛嫌いしているわけではないけれど、経験上宗教には制約が多すぎる。生まれながらに宗教家の家庭に育った自分にとってはジャレッドの立ち位置が良く理解できる。
個性も人格も否定され、神の望みに叶う人格、行いが善とされる。生まれ持った人格と悪の道とされる教えの狭間で悩み続けるジャレッドに自分を重ね合わせてしまいなんとも辛かった。

神を信じるが故に個人の思想を統制しようとする施設に矛盾を感じてやりきれない。それでも最後に人生を選ぶのは自分自身。自分にとってより良い人生を生きながら神を信じることは同時にできることではないのか。

多様な人生を選べる現代だからこそ宗教や信じるものの在り方にも多少の変化が必要だと思う。
whitelily

whitelily