yu

ある少年の告白のyuのネタバレレビュー・内容・結末

ある少年の告白(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

なんだかなー。宗教ってなんだかなー。
 
私が勝手に絶大なる信頼を置いているジョエルエドガードンが脚本監督ということで、結構期待してたんだけど、まぁ普通って感じだったかなー。それなりに見応えはあったけど。そんでジョエルエドガートンがまたいやーーーーな役をしてた。似合う。彼はザ・ギフトの時もそうだけど、自分の作品で嫌な役したがりたいんかな?
 
同性愛者の主人公を両親が矯正施設へ入所させる話なんだけど、そこがまたもう人間の尊厳を踏みにじるもので…。「これが真の男らしさだ!」とかきもちわりーのなんの。今時こんなんナンセンスすぎると思ったけど、実際にアメリカではこういう施設が結構あってそれが違法とされていないって知って愕然。いやいや、何をもってその人の本質を変える権利があるんだろよって腹立つ。やり方が非常に汚いというか姑息で、「同性愛は生まれ持ったものじゃない、選択の結果だ!」なんて言っちゃって。過去の自分の行為をみんなの前でカミングアウトさせたりトイレも一人で行けなかったり、従わなかった人に対しては葬儀みたいなことやって…そこにいる職員さんたちって、そんなことして本当に矯正できると思ってるんかなー。だとしたら人間の思いとか気持ちとかをナメすぎだと思うわ。
 
でも、やっぱこういうのも宗教が絡んでて、キリスト教(宗派とかはよくわかんないけど)はもともと同性愛者は罪ってされてたみたいだし、近年は不当な扱いを受けるべきではないっていう認識が広まってるみたいだけど、それでもやっぱり宗教とか倫理的な観点から嫌悪感を抱く人も少なくないそうで。私がさっき「何をもってその人の本質を変える権利があるんだろう」って言ったけど、それは私自身が「好きになった人が男でも女でもどっちでもいいじゃん~」て考えだからそう思うわけであって、もし私自身がキリスト教の教えを聞いて育ってたとしたら親御さんの気持ちなんかも理解できるのかなーと。
 
そしてこの映画、父と母の描き方がすごく良かった。母は息子のSOSに対してすぐに反応して、今まで夫の言うままに生きてきたけど、こんなやり方間違ってたと息子の味方になる。一方父は、息子を愛してるけどやっぱり理解してあげれなくて、でもそれがとても苦しそうで…。息子が父に会いに行って「僕の本質は変われない、だから僕を愛してるなら父さんが変わってくれないと。」みたいなこと言うシーンが印象に残った。お父さんは牧師で、教会でみんなに聖書を説くような人物で、そんな人が同性愛者を肯定するっていうのはかなり勇気のいることだろうし、周りからの反感も強いだろうし、多くの葛藤があるのは想像できる。だけど最終的には歩みよった感じになってたし、エンドロールでも実際の写真が流れてきたからいい関係を築けてると信じたい。
yu

yu