atari

ある少年の告白のatariのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
4.3
同性愛の"矯正"プログラム。
そんなものが実際に存在するということが、私にとっては何よりの衝撃でした。

世の中には自分の知らない世界がまだまだあるのだと気付かされた。と同時に、広い視野や寛大な心・価値観を持つことが、どれだけ自分や周りの人の人生を豊かにするかを改めて感じさせられた。大切な作品。

LGBTQ当事者でなければ、この作品の中のすべてを理解することは難しいのかもしれない。それでも私は少しでも多くの人にこの現実を知って欲しいと願うし、知るべきだと考える。

18歳の少年にとって、父親に自分を理解してもらえない、受け入れてもらえないということが、どれほど絶望的であるか。

自分の信念に反する息子を、自分の思い通りに"矯正"しようとする愚かな父親には驚いた。
彼からは、他人を変えようとするのではなく、自分が変わる努力をすることが必要なのだと学んだ。
また、最終的にではあるが、主人公のジャレットには母親という味方がいた。
理解してくれる人が1人いるだけでも環境は変わる。逆を言えば、理解してくれる人が1人いるかいないかで、当事者たちの世界は大きく変わってしまうのだ。

LGBTQに対する偏見、矯正施設の存在、神への信仰、人間の愚かさ、家族の愛、、多くを目撃し、学ぶ機会となる作品でした。
atari

atari