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ある少年の告白のAnteaterのレビュー・感想・評価

ある少年の告白(2018年製作の映画)
4.6
実話を映画化した作品。
~あらすじ~
牧師の父と敬虔なクリスチャンの母をもつ主人公の少年。
何不自由ない青春を謳歌していた彼だったが、大学であることがあってから自分は同性愛者なのではないかと感じ始める。
彼の育った地域の宗派では同性愛は罪であるとされているため、治すために矯正施設の体験授業を受けに行くことに。
初めは彼自身も治すために真摯に取り組んでいたが、次第にその施設の教育方針に疑問をもつようになっていく。
そんな彼の知らないところで、彼をその施設に長期滞在させようという動きが起こっていて…

~感想~
※これから書くことはあくまでも私個人の意見です。
共感を求めたり強要するつもりは全くありません。

私は誰が誰を愛そうと気にしないし、その人が幸せならそれでいいと思っているため、性的指向を強制するという考え方は受け入れられなかった。
ただ、もし私や弟が当事者だった場合、私の両親は治してあげたいと思うんだろうな…とは思った。
世代間で捉え方が違うのは理解できるし、私の地元は結構な田舎なので隠したい、普通に振舞ってほしいだろうな、と思いながら観賞していた。
私の両親はいいとして、この作品の見どころも彼とその両親との関係性が変化していくところだろう。
彼にカミングアウトされた当初はショックを隠し切れなかった様子の母親だったが、施設に通ううちに変わってしまっていく息子に気づき、最後にはある決断をする。
一方で牧師という立場もあり、なかなか息子を認められない父親は、彼を施設に長期滞在させて完全に治してあげようと奮起する。
どちらも彼を愛しているが故の行動なので完璧に否定できないのが見ていて辛い。
同性愛に限ったことではなく、子供のために行った親の行動に対してどう受け止めるべきなのかの一例を示してくれた作品。
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