まこぞう

もぐら横丁のまこぞうのネタバレレビュー・内容・結末

もぐら横丁(1953年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

*ダメアプリのFilmarksは当然として、映画.comなどほとんどの映画データサイトで笠智衆が出演となっているけど、観ればすぐわかるように出演していません。実際は宇野重吉がやっていた役を笠智衆やる予定だったそうです。製作前の映画会社のデータを元にしたための間違いなのでは。
「笠智衆ら助演陣も良かった」とレビューしていたブログには失笑。

売れない作家夫婦の明るい貧乏物語。ひたすら明るいのにまったく嫌味がなくて、クサクサした気分の時に観るのに最高だった、基本的には。

本作の実質主演で、のちにシャンソン歌手になる島崎雪子がラジオ歌合戦で歌うシーンあり。冒頭のどら焼きも最高。とにかく可愛い。

主人公夫婦のいい加減さ、まわりもそれに負けないくらいアバウトで頰が緩みっぱなしになった。
部屋の世話をすると言っておきながら大家に知らせるのを忘れてしまう大学生。大家に会う前に勝手に引っ越しを始めてしまう主人公夫婦。
こんななのに誰も怒鳴るような人間は出てこない。この映画のような世界に住みたい。憎しみのない情だけのような世界。

ただ森繁久彌の役だけは分からなかった。啖呵売的な口上をかます見せ場もあったけど、あの役は必要あったか。唯一の悪人だけど、人の名前を広告に無断使用したぐらいで極悪人でもないし、動機も不明。最後は夜逃げしてフォローなしなんて、観客にもやもやした気分を植え付けただけではないか。
折角の心地よい気分に水を差して、映画全体の感じまで悪くしてしまう典型的な見本のようでした。
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