アラシサン弐

愛と希望の街のアラシサン弐のレビュー・感想・評価

愛と希望の街(1959年製作の映画)
4.3
60分ちょっとの映画ながら、富裕層と貧困層がそれぞれの価値観や温度感の違いでどうあがいても分かり合えなくなる構図が強烈に印象に残る。

貧乏を描くのに「鳩を売って帰ってきたらまた売る」という設定からして秀逸。
富裕層が貧困層の厳しい生活に対して無邪気に手を差し伸べたり、正しさを押し付けたりすることが、当事者からすればそのおせっかいは絶妙に見当違いであり、それが廻って分断を引き起こしてしまうのが皮肉で、切ない。

当時の日本の街並みをそのままロケして写した映像に趣がある。
アラシサン弐

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