ルーク大佐

マイナス21℃のルーク大佐のレビュー・感想・評価

マイナス21℃(2017年製作の映画)
3.6
アイスホッケー選手として稀有な才能をもちながらも、自らの弱さから才能と機会を捨て去り、薬物使用へと堕落していった男が、雪山での遭難を通じて自己再生をはかる物語。

ただ、主人公の振る舞いが共感を得られにくい面もある。自己責任で社会から放逐され、やけくそな生き方をするなかで遭難を引き起こす。

寂しいのは、母親以外だれも彼の失踪を心配しなかったこと。それだけ孤独な生き方をしていたからだ。一人っ子であり、母親の愛は十分にうけていたが、父親とはそりがあわなかったようだ。

ミラ・ソルヴィノは母親役をやるような年齢になったことにちょっとびっくりした。遭難中の我が子を思う母親。その心情を吐露するシーンは、上手だった。タイトルセンスが冴えないものの、実話ならではのリアリティに心を揺さぶられる。
ルーク大佐

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