クre

ロバート・ライシュ: 資本主義の救済のクreのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

 米国でなぜ格差が広がっているのか。この映画によると、財界・議会の癒着により、中間層が解体され、一般大衆が不利益を被っているのか。
 財界は自己利益を拡大させるために、ロビー活動(お金)でルールを捻じ曲げていた。減税策や補助金制度、薬価代の高さ等、全てに彼らの意図が絡んでいる。富は公正に分配されない。
 2010年には企業の政党への献金が無制限になったことやロビー活動者の大半が元議員であることは、さらなる偏りを生み出す。実際、ダークマネーは急増している。富を持つ者の影響力が大きすぎて、一般庶民の政治的権力はゼロに等しい。
 マネー量が政治的権力の大きさに直結するようになり、自分に有利なルールを作ることが可能になる(確率的に高くなる)。その結果、一部の層の富がさらに増え、さらに権力が肥大化する。分断格差を生み出す一つの構造。
 ビジネスや資本主義が悪いわけではない。お金で民主主義を機能不全にさせているのが良くない。この映画の言葉を借りるなら「お金は声ではない」ということ。
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