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高崎グラフィティ。のTheyMadeMeのレビュー・感想・評価

高崎グラフィティ。(2018年製作の映画)
4.0
登場人物がみな生き生きとしていた。
自然な魅力があった。
別に超個性派というわけではない。
高崎にいそうな人たち。
キラッと光るところがあり、同時にどうしようもない欠点もあったり。
そんな5人がぶつかり合い励まし合う数日の出来事。とことん予想がつかない。
想像以上のことが次から次へと起こり、めちゃくちゃ面白かったです。
グーニーズ、スタンドバイミーのような青春映画でした。挿入曲が全部良かった!

気になる点が唯一あるとするならば、、
ミッドポイントで5人が揃います。
そこまでが登場人物5人の説明に時間を割いています。この時間がけっこう冗長に感じる。説明だけで葛藤がないからである。

まぁ5人の姿を見せることが監督の目的だったのだとは思いますが、それはそれで押し付けがましくなってしまいます。やはり"中心的な問い"に観客を引き込まないと退屈してしまう。その問いとは"主人公は無事に入学することができるだろうか"である。

第一幕は状況説明。
第二幕は葛藤。
第三幕は解決。
というのが三幕構成の考え方です。

第二幕では観客は主人公とともに問題解決をしようと動き出さないといけない。アクションしないといけないのだ。なぜならそういう気持ちであることが理想的であるからだ。観客も。

しかしこの物語の主人公はアクションを起こさない。卒業パーティでモヤモヤしているだけである。それもミッドポイントまで。

まぁ後半グッと面白くなるのですが、、
しかし時間がない!さらには葛藤をもうちょい楽しむ時間が欲しかった。
例えば入学金を払うカウントダウンを意識させる描写があっても良かった。
明確な目標にすればハラハラする。
途中で登場人物たちが、父親探しに飽きてしまう描写があります。これは見てる側も同じで、どうでも良い事になっているのです。少なくとも観る側にはハラハラさせないといけない。

お調子者の男子とその友達のストーリー。
これは要らない!というか優先度が低い。
あってもいいけどもう+10分、主人公のストーリーを描くべきである。

例えば、主人公が専門学校のオープンキャンパスに行ったシーンを描くとか。より入学できない喪失が大きくなります。高崎(田舎)との対比にもなります。
あるいは父親を探すシーンにするとかにするのも良しです。
何とかお金を作ろうとして、援助交際しようとするとか。主人公にとってお金がないことは、途方もない危機でないといけない。現状だと、諦める準備をしているように見えてしまう。
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