覗き行為から始まるスリラー作品かと思って観始めたら、まさかのドキュメンタリーでびっくり!
30年間、自身の所有するモーテルで“覗き魔”をやっていた男を追ったドキュメンタリーであると同時に、その事を本にしようとするジャーナリストを追ったドキュメンタリーでもある本作。
そもそも人っていうのは“覗く”という行為が好きなのだと思います。
好き、というよりは好奇心と言った方が近いかもしれません。
人気のあるドッキリ系の番組も本質的には覗き行為だと言えるし、ネットなどで配信されている監視カメラの映像に興味を持ったりもします。
そしてドキュメンタリーというジャンルも他人の人生や心の中を覗くものだと言えると思います。
多分そこにあるのは“真実の姿”を知りたいという欲求。
でも人は“他人を覗きたい”という気持ちの裏面に“自分を観て欲しい”という欲求も併せ持っているのではないでしょうか。
本作の“覗き魔”が悪い行為を自らジャーナリストに連絡をとり告白したように。
SNSなんかも正にそれで、誰に見られているのか判らない公の場の他人の発言を見て楽しみ、誰に観られているのか判らない公の場で自らの心の中や私生活を晒す。
他人の事を覗きたいと思った時、それは同時に自分自身を見て欲しいと思っているのかもしれません。