なんと初鑑賞。
大人に刺さる。
むしろ子どもたちにヒットしたことの意味がわからない。
大人たちが夢中になっていくつも考察していることも納得できる。
釜爺のところで主人公が一回燃料を運ぶ手伝いをしたあとに何が起きたか。これはすごい。言葉で説明すると説教くさいシーンになるところを「かわいい」でカモフラージュして、すごく辛辣な事を表現している。そうそう。あるよねー。あるある。待てよ?自分の中にもあるよな…。そんな風に隠しておきたい醜い部分をえぐられ晒される感覚。ジブリって子ども向けではないのでは?
その他多くのシーンについては、この20年で語り尽くされたであろうから割愛。
銀河鉄道の夜やDESTINY 鎌倉物語などでも見られる電車のシーン。
田舎の鈍行のような心地良い揺れと音。
景色のゆっくりした流れ方。
背筋を伸ばしてひとり静かに座る。
肉体の輪郭を無くしつつも最期まで凛としていたいという日本人の死生観が、このような作品によってますます確かなものになっていくような。
つまり日本が作ったアニメが、今度は日本人を作っていくかのような。
それぐらい強い力を持った作品だと思う。
恐れ入りました。