あべり

千と千尋の神隠しのあべりのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.5
久々に見たけどやっぱり面白いなぁ...

気弱で甘々で挨拶もできない千尋が、気づいたら、周りも気遣える立派なお姉さんになっている

厳しい環境にいると辛いことも多いけど、その分人を強くさせる。甘えないでやり抜くことが大切だと改めて実感した。嫌味な人だったり、優しさがない人も多いけど、釜爺やリンのような人も絶対いる、そんなリアルな社会を模したのが油屋なのかなぁと思ったり。


湯婆婆と銭婆の対比も面白い。
金、宝石を求め、他者を支配し自分のもののように扱う湯婆婆。金銭や宝石といった本質的な価値はないものに興味はない銭婆。魔法も使えるけど、そんなことはせずに厳かに質素だけど確かに暮らしている銭婆にはゆとりと豊かさがあるように思えた。

"まだわかりませんか?"
"魔法で作ったんじゃ意味がないからね"

いいセリフだったな。いまならその言葉の意味がよくわかる気がする。ものごとを見極める、自分のなかの大切なことを明確化する、そしてそれを抱きしめる。
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