スクラ

千と千尋の神隠しのスクラのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.5
<劇場で観られて良かった!!!劇場の大画面で観るハク様は圧巻!!>

公開当時映画館で観た後もテレビで放映される度に観ていて、ストーリーも知っている映画だけど、
映画館の中で集中して観てみると、改めて発見もあり、かつ、ジブリのありとあらゆるものが生き生きとした表現を大スクリーンで堪能でき、最高の映画体験だった。

『千と千尋の神隠し』のテーマは「成長」なのかなと感じた。
最初の頃の千尋って挨拶や御礼はちゃんとできないし、逃げるときの走り方はナヨナヨして弱々しい。
それが名前を奪われて千となって、色んなヒトとの出会いを通じて、挨拶や御礼を言うのが自然と身について、
逃げるためじゃなく、守るためにしっかりと走れるようになっている。
一度「千」になり、再び「千尋」に戻ったとき、千尋は確実に成長していて、物事の捉え方や生き方に変化が起きたんだろうな。

今回初めて気づいたけど、千尋と両親がトンネルを抜けて、建物の外に出た後って明らかに異常な風景なのに、
両親は何にも疑問に思っていない時点できっと既にあの世界に捕らわれ始めていたのかなと思う。
トンネルの入口は1つなのに、抜けた先のトンネルの出口は3つに増えているし、
建物を出たあとにトンネルがあった方を振り返ると、山道を抜けた先にあったトンネルから入ったのに山の斜面が一切無い。
千尋だけが底知れぬ不気味さを感じているのに、両親は何とも思っていないのが不思議だなと改めて思った。

千尋が両親を取り戻し、再びトンネルをくぐるシーンの解釈も色々ありそうだなと感じた。
何度見ても気になるのが、千尋は成長したはずなのに、トンネルを通っているときの様子は、最初にトンネルを通っているときみたくおびえている感じがする。あのシーンは全ての言動が最初のトンネルシーンと同じなんだよね。
ここについては以下のような解釈をしてみた。

・元の世界に戻る千尋と両親にとって湯屋での出来事はあくまでも切り取られた「存在しない現実」となった
両親にいたっては、豚になった記憶とか無くなっている。
・しかしながら、最後に銭婆たちに作って貰った千尋の髪留めがきらめくことで、存在しない現実は千尋にとってはたしかに存在していたことを示唆
 
トトロから言葉を借りれば「夢だけど、夢じゃなかった!!」なのかな?
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