りょう

スパイダーマン:スパイダーバースのりょうのレビュー・感想・評価

4.0
 この作品が劇場公開されたとき、「実写版であれだけの映画化に成功しているのに、どうしていまさらアニメ?」と思いましたが、実際に観て納得させられました。
 デジタルとアナログがほどよく融合した映像は、めちゃくちゃ派手な色彩と微妙な質感、迫力の音響とともに素晴らしいです。アクションの展開も奇抜でテンポがいいので、あっという間の117分です。
 ただ、ここまで評価されていることはよくわかりますが、物語そのものには魅力を感じませんでした。キャラクターは多彩で絶妙な設定ですが、悪党が妻子と再会するために発生させた異次元からたくさんのスパイダーマンが終結して…という顛末は、まるでハリウッドのB級映画のようです。当然にマイルスの成長も描いていますが、どうにも圧倒的な映像に物語が埋没してしまっています。これが実写版とか普通のCGアニメだったら、ちょっと観てられなかったかもしれません。
 続編の「アクロス・ザ・スパイダーバース」はこれから観ますが、原題が“Part One”となっています。3作目もあるようなので、この映像のクオリティはそのままに、物語の発展も期待できそうです。
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