Akiyoshi

スパイダーマン:スパイダーバースのAkiyoshiのレビュー・感想・評価

4.5
僕たちは本当の「親愛なる隣人」を知らなかったのかもしれない。

『スパイダーマン スパイダーバース』が3月1日から3日までの3日間限定でIMAX版が(T・ジョイ博多のDolby Cinemaでも)先行公開、3月8日より本公開。

世界よ、これがアメコミだ!と力強く言いたい。まぁ僕は日本人なんですけどね(笑)。スパイダーマンって知ってますか?そうそう放射線に侵された蜘蛛に噛まれて……みんな知ってるよね。我らがヒーローはアメコミで大活躍して、アニメーションも実写映画も何度も作られてるのも知ってるよね。USJにはアトラクションもあるよね、めっちゃ楽しいやつ。僕らにとっても身近なヒーロー。そんな彼が色んな作品からやって来て一堂に会するのがスパイダーバースの世界です。

スパイダーマン好きとしてはアベンジャーズよりも革命的なことで、海外で公開されればあっちもこっちもとんでもなく高い評価を受けて、ついにはアカデミー賞長編アニメ映画賞まで獲得しちゃったもんだからめちゃくちゃ期待しました。

はい!結果的にはとんでもなく面白かったです!LEGOムービーからファンだったフィル・ロード&クリス・ミラーの制作陣コンビが流石!STARWARSを断ってやっただけある。多くのスパイダーマンの個性1人1人にスポットライトを当てて個性の融合を狙ってるのが素晴らしい。さらに主人公マイルズの成長、悲劇、復活、覚醒を周りからの影響や自立を通して「自分で選択」することの大切さを伝えるメッセージ性に思わずウルっとしました。存在意義を唱えることって今の世の中で重要になってるし、マイルズには自己投影しちゃいます。

世間的な評価はアニメ映画の枠を凌駕しているし、子どもから大人までアメコミの知識0の人からも楽しめる。そして本当に凄いのが、「全く退屈しない映画」であること。アニメーションはアメコミをそのままアニメにしたような作りで日本人からしたらかなり斬新!さらに絵のタッチもそれぞれのスパイダーマンによって異なる!白黒のスパイダーマンや、カートゥーン調のスパイダーマン!飽きるわけないよね!

何度もスパイダーマンから教わったけども言わせて下さい 「大いなる力には、大いなる責任が伴う」ということを。

みんな何かしらの役割を持っている。生きているんだ何かを果たすために。フィル・ロードとクリス・ミラーは本作の主要テーマの1つとして「僕ら全員がパワーを持っていて、誰もが自分の追うべき責任をちゃんと果たさなければならない」ということを言っている。

自分の存在意義、何の為に働いているのか、何をやってもダメだ、生きている意味が無い

と思っている人。どうか重い腰を上げて映画館まで足を運んで下さい。「親愛なる隣人」である彼らがあなたを助けてくれるはずです。

最後になりますが、本作は2018年6月29日ごろに亡くなったスパイダーマンの原作コミック共同クリエイターであるスティーブ・ディッコに捧げることになっていました。しかし、本国での公開日の約1ヶ月前の2018年11月12日には、同じくスパイダーマンのクリエイターであるスタン・リーも亡くなりました。結果として、本作はスパイダーマンを生み出した2人の偉大なクリエイターに捧げられた作品になりました。

親が亡くなり、次の世代へ託す。まるで全ての人類に捧げられたかの作品。是非!是非とも映画館でご覧下さい!
Akiyoshi

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