Sho

欲望のShoのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
4.2
売れっ子カメラマンがカップルを盗撮する。スタジオに戻り現像した写真を拡大すると、殺し屋と死体らしきものが写っている…というサスペンス映画の体をしたミケランジェロアントニオーニの作品。でも普通にサスペンスとして期待すると答えがないので面白くないです。

広告仕事に虚無感を感じている主人公。
自分の中に潜む欲求を探し当てようとするように、撮影した写真をブローアップしていく。
拡大され曖昧なイメージに取り憑かれた彼は、徐々に妄想とも現実ともつかない世界に引き込まれていく。
虚像はどこまで拡大しても虚実なのだが…
一方では見えるものだけが事実なのか?と訴えかけてくる。

甘美な白昼夢を見るような感覚を楽しみつつ、思考を巡らせて鑑賞するのをお勧めします。
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