あぼ

欲望のあぼのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
2.6
60年代のアートシーンを駆け抜けた男ミケランジェロ・アントニオーニの代表作。全体的に映像で示す映画なので、少し難しく軽くサスペンスさを含んでいる。カメラマンの主人公は、公園で男女を撮った写真を引き延ばす(blow up)と、死体が写っていることに気づく。またその女とのフィルムを渡す駆け引きや、モデルとして撮られたい若い女2人の来訪のシーンなど、様々な人々の欲やそれゆえ可笑しくなっている姿が描かれていた。主人公もその1人で、私には写真の中に死体らしきものを見ることは出来なかったが、それは彼の死体があるという妄想が作った事実だからである。ラストのエアテニスの場面が示しているように、何が事実か、何を信じるか、何を自分のために妄想として描くのか、を一度問いだたされる映画だった。主人公の身体がモデル並みに良かった。1.30
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