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志乃ちゃんは自分の名前が言えないのsamiamのレビュー・感想・評価

2.5
つらいストーリーだつた。
若い先生が面談であんな風に言ってしまうことについては、経験と想像力が足りな過ぎと思われるので、何か言ってあげられるかもしれないけれど、かよさんは、彼女が出来うる精一杯のことをしたと私には思えた。これ以上どうすればいいのだろう。菊地君についても最初はまずかったけれど、関係回復の努力をしていたよね。彼もそれ以上どうすれば良かったのだろうか。ただ放っておいて欲しかった?「こんなに辛いのなら、一人の方がいい」って言うのだから、確かにそうなのでしょう。でも最初に関係を求めててきたのはしのちゃんで、かよさんは、最初は乗り気ではなかったけれど受け容れたんだよね。
一度は気を許した友達でも、疎外感からくる苦しみで殻を閉じてしまった彼女には、何をしてもその殻を開けることは出来ないということなのか。確かに人には本人にしか理解出来ない苦しみというものがあるのだろう。それは、時間だけしか解決ができないということなのか。それが、この映画の制作者が伝えたかったメッセージ?
とてもつらい気持ちになった。
救いだったのは、彼女が一人で苦しむことを覚悟で学校に戻ったこと、同級生が飲み物をくれたことに感謝の反応と笑顔を見せることができたこと。

追記
この映画の主人公は、もしかしてかよさんだったのかな。
人に何と言われようと目標に向かって行動する姿勢や、しのちゃんに寄り添おうとした努力も、菊地君にいつか一緒にやろうと声をかける優しさも、魔法という歌も全てかっこ良かった。
だから、このストーリーは、これだけのことをしてくれた友がいたという讃歌と、それにも関わらず自分のことしか見えず心を開けなかったしのちゃんの後悔を現した作品だったのかな。そうだとしたら、凄く納得。
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