トライアングルボム

志乃ちゃんは自分の名前が言えないのトライアングルボムのレビュー・感想・評価

4.2
できるだけ小さく、シンプルに志乃たちの世界を映しておきながら、誰もが抱える「人と違う部分」に普遍性をもって強烈に訴えかけてくる。
コンプレックスを笑われることに対して、「仕方ない」と逃げる気持ちと「不公平だ」と憤る気持ちが志乃の中で衝突する様が、自分の実体験を弄りデジャヴュを生み出す。どうしていいか分からなくなると逃げたくなる。
コンプレックスを個性にも特徴にも転換できず、遣り場も分からないままただ耐える他ない10代のあの感覚を鮮明に思い出させてくれる。