爆裂BOX

溺殺魔 セバスチャン・ドナーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.3
「殺戮職人芝刈男」並みに声に出して読みたい、タイトルだけで合格点あげたくなるオカルトモンスターホラーです。
湖に落ちて溺れた際に不気味な男の幻覚を見て以来、水恐怖症になったマディソン。雨の日は外出できず、水を飲む事すら恐れる彼女を心配する親友ハナは、霊感の強い女友達キャサリンに頼んで心霊療法を行うが、それは水恐怖症を克服するどころか恐ろしい事態を招いてしまう…というストーリーになっています。
主人公マディソンは、湖で溺れた際に不気味な男が迫ってくる幻覚を見て以来、水を飲むことに恐怖を感じるほど水恐怖症に。そのせいで結婚式の付添人に行けなかったことでキレた親友ハナが、霊感のある女友達も読んで克服のためにショック療法的にバスタブにマディソンを沈めるも、そこで再び不気味な男が現れ、友人達が次々死んでいきます。
水恐怖症がテーマの一つになっているかと思いましたが、そこまで深く描かれてはいないなと感じましたね。水飲む事すら恐怖感じてチューブで直接体内に取り入れてますが、それは平気なんかいと思いますし、一年もそんな生活続けてたらボロボロの状態になりそうなのに、マディソン結構普通に生活してるので違和感感じてしまいますね。
タイトルにもなってるセバスチャン・ドナーは、女性を監禁してバスタブに沈めて殺す殺人鬼で、最後の犠牲者になるはずだった女性イザベラに反撃受けて死ぬも、その死体は消えてしまいます。水を介してどこにでも現れて、水の中に引きずり込んだ後に自分の住処でもある異空間に引きずり込んでそこで溺死させるという一手間かかった殺し方をします。自分の作り出した異空間に引きずり込むという所は「エルム街の悪夢」彷彿させますね。零れた水にスマホが浸かったら、その水の中にスマホが消えたり、洗濯中の洗濯機の中から手を伸ばしてきたり、洗面台に溜った水の中に引きずり込んだりするシーンは面白かったです。セバスチャンのタールマンみたいな汚らしい見た目も良いですね。ただ、終始唸り声上げるだけでフレディみたいな狡猾さやお喋りもないし、強力な能力もってる割にはキャラとしての魅力が無いのが残念。殺し方もタイトル通り溺死だけなので、ゴア描写が無いから画的にも地味ですし。
主人公マディソン役のミシェル・マイレットは「パンデミック・サイト」や「最/終/感/染/アンチ・ソーシャル」のヒロインの人でしたね。今作でも美人でした。親友ハナは結婚式の付添人ドタキャンされてキレる理由はわかるけど、口悪すぎて本当に親友か?と思っちゃいました。まあ、心霊療法試してマディソン殺しかけた後は反省してマディソンにずっとついて助けてましたが。他の友人もマディソンに対して妙に冷たい感じなので、殺されてもあんま同情できなかったかな。霊能力もってるけど使えないキャサリンは金髪美人で好みでした。ハナは結婚したばかりなのに旦那全然登場せず、そもそも男キャラが殆ど登場しませんでしたね。
精神病院に収容されているセバスチャンの唯一の生存者イザベラに会いに行ってある事実が明らかになりますが、結構マディソンにとって衝撃の事実なのにそれで動揺するそぶりはあんまり見えなかったな。まあ、その直後にセバスチャンが襲ってきたからそれどころじゃなくなったからかもしれないけど。
セバスチャンの異空間に入ってからの戦いも、ハナが閉じ込められてた水槽あんな簡単に割れるならもうちょっと早く割ってやれよと思いいましたね。そしたら助かってたんじゃないかな。ラストの戦いももうちょっと盛り上げて演出してほしかったですね。
結局セバスチャンの目的は自分を殺したイザベラの元に再び現れることだったのかな。セバスチャンがあんな存在になった理由や最後に再び現れたわけなどは語られる事なかったですね。
評判悪いですが、個人的には普通に見れた作品でした。