Iri17

響 -HIBIKI-のIri17のレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
3.5
原作は主人公響が天才天才と言われ過ぎて、こちとら凡人は生まれつき何しても無駄と言われているようで悲しくなる漫画。でも面白い。

絶対に超えられない天才との壁、それによって生じる嫉妬と劣等感。彼女の存在が周囲や社会に影響を与えていく。その存在はまるでブラックホールのような絶対的、究極のエネルギーであり、誰からの指図も受けないし、飼いならすことも抑えつけることもできない。

そんな天才を演じることが出来るのは天才だけだ。平手友梨奈の持つ圧倒的なカリスマ性が天才響として作用し、映画全体が彼女を中心に振り回されているかのようだ。まるでブラックホール。映画が彼女色に塗り潰され、その何かに取り憑かれたような演技と相まって不気味さがまとわりつく。

テーマは深淵であり、フィンチャーばりの暗い作風は決してファミリー向けではないが、芸術やスポーツなどに真剣に向き合っている人間には一見の価値ありだ。
Iri17

Iri17